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(2024年9月24日:一部の画像を追加しました。)

さて、京急のプレスリリースにて「✈急行」が「急行」へと名称変更されることが発表されました。
2010年5月16日のダイヤ改正で華々しく登場した「✈急行」は京急独自の種別であり、京急蒲田以北はそれ以前の急行を継承する形、京急蒲田以南は新たな種別として登場しました。

そこから早13年半が経ち、この度✈急行の種別が消滅することになりました。

今回この記事ではそんな✈急行の中でも、都営車に焦点を当てて13年間を振り返っていきたいと思います。

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上記の表は都営車の✈急行が各行先何本づつ存在したかを示すものになります。
ちなみに京急蒲田で折り返し列車番号が変わる便は2本としてカウントしています。
(例:2022年11月改正、平日741T~740TXは逗子・葉山行を2本としてカウント)

さて、2010年5月改正で華々しく登場した✈急行ですが、都営車の急行に「✈」マークが冠されるのは10月21日の羽田空港国際線ターミナル(現:羽田空港第3ターミナル)駅の開業に伴う更新でした。
それまではただの急行表示で、北側は5月改正以前と変わらず、1本のみ設定された南側は「51T 急行 新町」としてそれこそ往年の急行を思い出させるような形で走っていました。

旧急行廃止が1999年7月ですから、そこから約11年での復活。今回はそこから13年ということでまぁなんか時代は回るんだなぁと(適当)


飛行機マークが付いた2010年7月時点で設定されていた行先は
新町・羽田空港・品川・泉岳寺・青砥・高砂・印西牧の原・印旛日本医大・成田の9種類。平日は54本、土休日は40本の設定がありました。

当時はまだ日中の印旛系統が✈急行だったので、その運用での表示が目立っていました。平日は26本、土休日は18本設定されていた北行✈急行ですが、そのうち平日は15本、休日は13本が北総線方面。そもそも当時都営車による京成本線乗り入れが少なかったこともあり、✈急行としての設定もかなり限られるものでした。
そして南行は新町行の1本のみで、まだ現在のように賑わう様子からは程遠いものでした。


また2011年9月にも改正が行われていますが、都営車の✈急行の行先数に変化はありません。


2012年10月21日改正
この改正で京急のダイヤパターンは大きく変わります。日中の北急行は全て快特に格上げ、南急行は毎時6本になります。そしてその日中南急行の中に都営車の運用が1運用登場します。

1101T/1100T 羽田空港11:02~京急蒲田11:15/11:16~新逗子12:08
1201T/1300T 新逗子12:14~京急蒲田12:53/12:54~羽田空港13:15
1301T/1300TX 羽田空港13:22~京急蒲田13:35/13:36~新逗子14:28
1401T/1500T 新逗子14:34~京急蒲田15:13/15:14~羽田空港15:34


TT5300 土手

2014/08/25 1201T ✈急行 羽田空港行 5311編成


この2往復が日中南エア急の元祖ともいえるわけです。更に夜の新町行きも新逗子行に変更されています。

2029T/2028T 羽田空港20:30~京急蒲田20:29/20:31~新逗子21:26


京急川崎での待避が無くなった代わりに神奈川新町で快特とWing号、金沢文庫で快特に抜かれる今の夜の南エア急のスタイルになっています。

945T/944T 羽田空港9:43~京急蒲田9:55/9:57~金沢文庫10:35

そして土休日データイム前には金沢文庫行の✈急行が登場。神奈川新町行は消滅しましたが一気に南エア急が賑わうことになります。日中の北総方面が消えたことにより土休日は40本→26本と本数が激減しましたが、平日は逗子方面が新規に登場したことにより54本→52本と維持されています。


更に京成本線方面への✈急行には佐倉行が新規設定。現在は成田空港行となっていますが、911Tとして時刻はほぼそのまま現在も運行されています。
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2019/09/29 911T ✈急行 佐倉行 5316編成

※登場時は913T、2013年改正で911Tに変更。


2012年改正で存在した行先は
新逗子・金沢文庫・羽田空港・品川・泉岳寺・青砥・高砂・印牧・印旛・佐倉・成田の11種類。
神奈川新町が消滅した代わりに新逗子・金沢文庫・佐倉が登場しています。

2013年改正では押上行が初登場。上記の11種類に加えて12種類になります。特筆すべきは平日に金沢文庫行が登場したことでしょうか。2022年改正まで残った740TXがそれに当たります。本数は平日54本、休日24本と前年とあまり変わりません。

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2019/08/16 843T ✈急行 押上行 5312編成


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2020/05/25 740TX ✈急行 金沢文庫行 5305編成


2014年改正では日中南エア急の元祖だった01T運用が消滅。また休日45Tも消滅し、日中の神奈川を駆け回る都営車✈急行はしばらく見納めになります。

都営有識者の方々に話を聞くと、この頃が都営車暗黒期だというのはよく聞くお話しで、日中の運用が尽く削られているダイヤになっています。

2015年改正では大きな変化が無く、2016年改正で都営車は悲願の成田空港乗り入れを再開させることになりますが、この列車は西馬込始発だったため京急線内での行先数に変化はありませんでした。

2017年改正では平日夜の新逗子行が2本体制になったほか、休日にはオタク大歓喜の運用が。終日京急線内を往復する41Tの登場です。「41T ✈急行 新逗子」自体は2013年に登場した組み合わせではありますが、休日の日中運用1本が丸々都営車に置き換わったことはかなり驚きと同時に嬉しさが込み上げてくるものでした。

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2017/11/03 940T ✈急行 新逗子行 5324編成


この改正で休日の逗子行・羽田空港行が一挙に大増加。本数も24本→45本になりました。

翌年2018年改正では、夕方の成田行1本が成田空港行に変更。行先増加は2013年に増えた押上行ぶりのことであり、13種類になります。

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2019/12/20 1531T ✈急行 成田空港行 5304編成


しかしこの13種類体制もそう長くは続きませんでした。翌年2019年改正では元々唯一の佐倉行として走っていた911Tの行先が成田空港に延長。平日・休日共に成田空港行が見られるようになったことは大きいですが、その代わりに佐倉行が見納めになりました。ここで12種類に減ることになります。

2019年改正の息は長く、コロナ禍の減便ダイヤを経て2022年2月26日改正まで終電帯を除いてほぼ同じダイヤで運転されることになります。なおこの間に5500形では「高砂」及び「成田」の前に「京成」を冠するROM更新が実施されているほか、「新逗子」の「逗子・葉山」への変更に伴いそれぞれ見られる行先の種類が変わっています。
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2019/01/01 631T ✈急行 高砂行 5508編成

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2022/09/22 2253T ✈急行 京成高砂行 5502編成


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2018/10/29 1531T ??? 成田行 5505編成

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2021/05/28 1601T ✈急行 京成成田行 5517編成


えーっと、1531Tは品川まで✈急行なので許して下さい。
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(2024年9月24日追記:探したらビデオカメラの記録の中に「✈急行 成田」がありました潰れまくりですが。撮影は2020/01/23 1801T ✈急行 成田行 5511編成)

2022年2月26日改正では、5500形のアクセス線への乗り入れが開始。都営車だと成田スカイアクセス線・京成本線どちらの経由でも行先表示に差が無いためこれによる行先数の増加はありませんでした。その代わりに通常運用にて佐倉行が復活しました。但しこれはスカイアクセス線関連の運用であるため5300形の充当は無く、結局2019年改正以降引退まで5300形が「✈急行 佐倉」の表示を出して走ることはありませんでした。

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2022/10/11 843T ✈急行 スカイアクセス線経由成田空港行 1161編成

これも立派な都営車の✈急行。5500形故障による代走でした。泉岳寺で西馬込から出庫させた別の編成に交換する形で代走は終了。
ちなみに京急車の成田空港送り込みは全て久里浜方面からであり、「✈急行 成田空港」は存在しないため貴重な表示になりました。

同改正では更に740Tの行先が金沢文庫から逗子・葉山に変更になったことにより金沢文庫行が消滅、行先数は12種類になりました。

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2022/02/28 740TX ✈急行 逗子・葉山行 1805編成

こちらはダイヤ改正初日。こちらも5500形の故障により初日から代走でした。改正以降土日日中の南急行は17Tに運番が変わり、「41T ✈急行 逗子・葉山」は文庫以北ではこの1本のみになりました。

2022年11月改正でもその数は変化することなく、最終的に✈急行廃止時点では
逗子・葉山、羽田空港、品川、泉岳寺、押上、青砥、京成高砂、印西牧の原、印旛日本医大、京成佐倉、京成成田、成田空港の12種類の行先を表示することになりました。また平日は61本、土休日は44本の✈急行が設定されていました。

次回の改正で✈急行から"✈"が外れるわけですが、それと同時にどこまで運用数が変わることになるか注目です。
都営車として今後追加の見込みが1%でもある行先は
文庫・新町・川崎・浅草橋・宗吾参道・東成田・芝山千代田
といったところでしょうか。矢切や新鎌ヶ谷も理論上設定は可能ですが、京急側の表示面などを考えるとその可能性は低そうです。

ちなみに都営車ではありませんが、2011年の節電ダイヤにて北総車による✈急行 新鎌ヶ谷行が設定されていました。しかし京急線内は高砂行として案内されていた模様です。

さて、ここまで13年半の都営車による✈急行の歴史を辿ってみました。

僕個人として、都営車は快速や✈急行といった補完種別がよく似合っている気がします。それは✈急行が急行に変わっても変わることではありませんが、やはり少し寂しさは残るものです。

それでも、改正後に登場するであろう「急行 成田空港」や「急行 泉岳寺」など、5500形が表示してこなかった新たな表示が見られるのは楽しみです。

そして✈急行の消滅により、1998年改正で登場した「✈マークシリーズ」は✈快特をただ残すのみになりました。

「✈快特」「✈特急」「✈アクセス特急」「✈快速」「✈急行」と、通勤特急と普通以外の速達種別に冠されたことのある「✈」は、✈快特のみになります。

✈急行消滅まで残り1カ月、今まで散々撮ってきましたが最後まで後悔しないように撮っていきたいです。

…あ、そろそろ2010年以降のダイヤが全部完成するので、今度改めて✈急行の詳細でも纏めてみますかね。

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と、いうことで今回はこの辺で。
いじょう!!!